当然のことながら、萩は扇面の外まで伸びていて、源豊宗先生が宗達の金銀泥下絵について指摘された「トリミング方式」を思い出させてくれます。
扇面の上に萩が乗っているので、色紙や扇面の形に自然の植物を切り取るというトリミング方式とは逆かもしれませんが、自然の植物がそのまま模様になるという点で、ちょっと似ているように思われたのでした。
「僕の一点」をもう一つ加えれば、瑞渓周鳳編『善隣国宝記』ですね。文明4年(1472)10月3日、室町幕府将軍・足利義政が朝鮮国に贈った贈答品目録のページが展示されていましたが、そのなかに「綵画扇貮伯把」とあるのです。「綵画」の扇子200本を贈ったわけですが、この綵画とは着色画の意味にちがいありません。
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