2019年1月11日金曜日

謹賀新年11


また、こんな話もある。蘇州で知事をしていた友人の劉攽[りゅうはん]に招待され、州の役所に出かけたときのことである。庭にずらりと居並ぶきれいどころを見た安石は顔色を変え、席に着こうとしない。あわてた劉攽が妓女たちを引き取らせ、「車と舟は焼きました」と言ったので、やっと安石は機嫌を直したというのである。友人の心尽くしも安石には通じなかったわけである。

なお、この劉攽は長安の妓女と浮き名を流したこともあった。当時の士大夫としては、むしろそのほうが普通なのだった。

0 件のコメント:

コメントを投稿

渡辺浩『日本思想史と現在』7

しかし渡辺浩さんは、先行研究が指摘した二つの点について、高橋博巳さんの見解が示されていないことが、やや残念だとしています。その先行研究というのは、大森映子さんの『お家相続 大名家の苦闘』(角川選書)と島尾新さんの『水墨画入門』(岩波新書)です。 僕も読んだ『お家相続 大名家の苦闘...