2018年12月30日日曜日

嵯峨嵐山文華館「胸キュン!嵐山」4


そこから自然を美の対象としてみるか、真の対象としてみるかの違いが生まれたように思います。このような私見をしゃべって、今日のイントロダクションとすることにしました。またまた独断と偏見だといわれてしまうのではないかなぁと、あとでちょっと心配になりましたが……。

この「日中の自然と山水画」を書いてから4年ほど経って、嵐山亀山公園に建つ周恩来の「雨中嵐山」という詩碑を知る機会に恵まれました。今は亡き細見美術館館長の細見実さんが、遊洛会という京都を楽しむ会を立ち上げ、僕らを保津川下りに誘ってくれた時のことです。自由時間にそのあたりをブラブラしていると、大きな石碑が建っているではありませんか。

近づいてみると、京都大学に留学していた周恩来が、191945日、ここに遊んで詠んだ「雨中嵐山」という自由律詩を彫った自然石の碑で、日中平和友好条約が締結された1978年に建てられたものでした。今から100年前に作られた詩ということになります。

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根津美術館「唐絵」6

また島田先生は、「題辞、題詩が単に画図をみた印象、感想を述べるだけでなく、画図の主題と密接な関連があって、 画図の十分な理解のためにはその詩文の解釈が欠かせないとか、題跋の加わることが予期されるというような条件をおくことが必要であろう」と指摘しています。 さらに島田先生は、詩画軸...