そこから自然を美の対象としてみるか、真の対象としてみるかの違いが生まれたように思います。このような私見をしゃべって、今日のイントロダクションとすることにしました。またまた独断と偏見だといわれてしまうのではないかなぁと、あとでちょっと心配になりましたが……。
この「日中の自然と山水画」を書いてから4年ほど経って、嵐山亀山公園に建つ周恩来の「雨中嵐山」という詩碑を知る機会に恵まれました。今は亡き細見美術館館長の細見実さんが、遊洛会という京都を楽しむ会を立ち上げ、僕らを保津川下りに誘ってくれた時のことです。自由時間にそのあたりをブラブラしていると、大きな石碑が建っているではありませんか。
近づいてみると、京都大学に留学していた周恩来が、1919年4月5日、ここに遊んで詠んだ「雨中嵐山」という自由律詩を彫った自然石の碑で、日中平和友好条約が締結された1978年に建てられたものでした。今から100年前に作られた詩ということになります。
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