2018年11月24日土曜日

鹿島美術財団講演会「グローバル時代の東西」2


そのあと総合討議に移りましたが、最後に高階さんから一言求められた僕は、またまた以下のような独断と偏見をしゃべってしまいました。

根立さんの発表は、平安時代半ば以降の「三国」という世界観の高まりに加え、東大寺再興という特殊の場によってなされた仏教の始原への回帰を目指す動きが、東大寺南大門金剛力士像の特殊な像様や型、配置を生み出したことを実証したものでした。

その特殊性とは、一般的に阿形は向かって右側に、吽形は左側に置かれるのに対し、東大寺南大門では、反対になっている点に求められます。しかも通常は、両者が正面を向いているのにたいし、東大寺南街門では、両者がにらみ合うように配置されているのです。

0 件のコメント:

コメントを投稿

出光美術館「トプカプ・出光競演展」2

  一方、出光美術館も中国・明時代を中心に、皇帝・宮廷用に焼かれた官窯作品や江戸時代に海外へ輸出された陶磁器を有しており、中にはトプカプ宮殿博物館の作品の類品も知られています。  日本とトルコ共和国が外交関係を樹立して 100 周年を迎えた本年、両国の友好を記念し、トプカプ宮...