2018年9月25日火曜日

筆の里工房「筆が奏でる琳派の美」2


今日はいよいよオープンの日です。音には聞いていましたが、あまりの立派な施設に心底驚いてしまいました。展示内容も、俵屋宗達筆「牛図」をはじめとして、素晴らしい作品が集められています。豪華なカタログを開けば、僕のエッセー「琳派――筆と墨――」が巻頭を飾っていて、ちょっと恥ずかしいように気分になりました。

オープニング・セレモニーでは、日本画家・中野嘉之さんの新作「平成の風神雷神図屏風」が披露されました。現在、独創的水墨画の世界を切り開いている中野さんですが、銀地に着彩を用いた、意欲的力作です。皆さんと一緒に、僕も惜しみない拍手を捧げたことでした。

そのあと僕が、基調講演「筆が奏でる琳派の美」を行ないました。普通でしたら、「筆が奏でる琳派の美 饒舌館長口演す」とやるところですが、今回は何といってもお目出度い特別展のトークですから、「饒舌館長口演す」は省いて真面目なタイトルにしました。

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根津美術館「唐絵」6

また島田先生は、「題辞、題詩が単に画図をみた印象、感想を述べるだけでなく、画図の主題と密接な関連があって、 画図の十分な理解のためにはその詩文の解釈が欠かせないとか、題跋の加わることが予期されるというような条件をおくことが必要であろう」と指摘しています。 さらに島田先生は、詩画軸...