2018年8月24日金曜日

サントリー美術館「琉球」3


 饒舌館長であるとともにネコ好き館長でもある「僕の一点」は、山口宗季(1672~1743)が描いた「神猫図」(那覇市歴史博物館蔵)です。唐名を呉師虔ともいった山口宗季は、琉球のもっともすぐれた画家の一人です。貝摺奉行所の絵師となった宗季は、1703年、31歳のとき中国福州へ留学、4年間滞在して孫億などに画を学び、帰国すると絵師主取に任命されて活躍しました。

和名は普通「山口宗季」とされていますが、最後に任じられた地頭職が勝連間切神谷のため、「神谷宗季」とも呼ばれたことを、このたび初めて知りました。ところで宗季といえば、大和文華館が所蔵する優品「花鳥図」が、すぐに思い出されます。林進さんが『大和文華』に寄稿したすぐれた論文「宗季お花鳥図――近世写生画の魁――」とともに……。

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