2018年3月8日木曜日

渡辺京二『逝きし世の面影』9


かつて僕は、「ジャポニスムの起因と原動力」というエッセーを書いたことがあります。それは小林忠さんが監修した『秘蔵日本美術大観』の第3巻<大英博物館Ⅲ>(講談社 1993年)のためでした。

僕が言いたかったのは、ジャポニスムの原点には異国趣味があったと思われるけれども、それは決して単なるエキゾティズムなどと軽視されるべきものじゃないということでした。その時はまだこの名著を読んでいませんでしたが、僭越ながら、何となく通い合う視点でもあるように感じられたのでした。

 本書は「ある文明の幻影」から、「心の垣根」までの14章に分かれています。シルベスター・モースをはじめ、多くの異邦人を感動させた日本の美術・工芸に関する記述は、第5章「雑多と充溢」にまとめられています。しかし、第1章に出るエドウィン・アーノルドの演説に関するエピソードほど、おもしろいものはありません。アーノルドも日本の「美術」を褒めたたえたのですが、それに対して当時の日本人がいかに反応したか、その一節を引用しておくことにしましょう。



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