2017年7月23日日曜日

静嘉堂「曜変天目」諸説5



このような美術だけでなく、天皇からドラえもん・サザエさんまでを論じて実におもしろく、また対応英訳付きとなっていますので、外国人に日本文化の歴史や社会的背景を知ってもらいたいなぁと思うとき、とても便利なオススメ本ですよ。

もう一つ、高橋さんは『国宝への旅② 都雅檀風』<NHKライブラリー>から「曜変天目茶碗」のコピーも送ってくれました。そこには、当時における中国の人々の感性が、爬虫類的なイメージを与える斑点を気味の悪いものとして敬遠していた可能性が言及されていました。

つまり、僕と同じようなことを考えた方はいろいろといらっしゃったわけです。しかし私見は、聞一多の『中国神話』<平凡社・東洋文庫>から思いついた曜変虹蜺邪淫説である点に、私見たるゆえんがあるのですが!?

0 件のコメント:

コメントを投稿

渡辺浩『日本思想史と現在』7

しかし渡辺浩さんは、先行研究が指摘した二つの点について、高橋博巳さんの見解が示されていないことが、やや残念だとしています。その先行研究というのは、大森映子さんの『お家相続 大名家の苦闘』(角川選書)と島尾新さんの『水墨画入門』(岩波新書)です。 僕も読んだ『お家相続 大名家の苦闘...