2017年5月5日金曜日

三井記念美術館「西大寺展」6


 先生によれば、その根幹をなす最も重要な三句があります。仏の智慧とは「さとりを求める心〔菩提心〕を原因とし、大いなるあわれみ〔大悲〕を根とし、手だて〔方便〕を究極的なものとするのである」と訳される三句です。

悟りとは悟りを求める心が大前提であり、そこに仏の慈悲が作用することによって達せられますが、最終目的は衆生救済のため活動である――ということになります。ここで重要なのは仏の大悲・慈悲であり、それはおのずと女性と結びつきます。

仏の慈悲を象徴する観音菩薩は本来男性ですが、やがて女性的イメージが強まったことを考えれば分かりやすいでしょう。そもそも「胎」とは身ごもることや子宮ですから、女性の表象なのです。母親の胎内に眠る胎児の仏性が開花するさまを描いたのが、胎蔵界曼荼羅であるという説さえあります。明らかにこれは陰と結びつきます。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。

国立西洋美術館「北斎とジャポニスム」5

その馬渕さんがやがて国立西洋美術館の館長さんとなり、この特別展「北斎とジャポニスム」を企画し、先頭に立って準備を進めてきたわけですから、拝見しないわけにはいきません。さすが馬渕さん !!  北斎とジャポニスム時代の西欧画家における図様の相似を丹念に調べ上げて、見るものを...