2017年4月3日月曜日

サントリー美術館「絵巻マニア列伝」4


奥書によって、文安6年(14495月、仁和寺御室に伝来した絵仏師・定智筆の絵巻物をコピーした作品であることが分かります。しかし、この絵巻のおもしろさを堪能しさえすれば、そんなことはどうでもいいという気分になってきます。とくに一杯やったあとですから……。

詳しくは、上野友愛さんがカタログに寄せた論文「数寄から広がる絵巻好き」をお読みいただきたいと思います。これを「ヒホウ絵巻」と命名した彼女にしたがって、一巻のあらましを紹介すれば……

「勝絵」と呼ばれる男の陽物の大小や屁の威力を競う話のうち、後者のみをまとめたもので、法師たちが木の実や冷粥を食べて腹にガスを溜め、放屁競べを繰り広げるという、秘宝ならぬ実に奇想天外な≪屁宝≫絵巻だ。最後を飾るのは、下半身を露にした老齢の尼君と一糸まとわぬ法師。朱扇を射落とさんと尻を突き出して屁を放ち、その残り香とともに絵巻は終わる。

かつて「日本人は和式トイレを使おう!!」というエッセーを書いたことがあるほど、尾籠な話が大好きな僕が、自信をもって「僕の一点」としてオススメするのですから、その素晴らしさは絶対間違いありません!?

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