その前提として、それまで読んだジャポニスム論を5つのタイプに分けてみたのですが、第4は日本美術の工芸的あるいは生活美術的性格とでも呼ぶべき起因と原動力でした。その代表として高階秀爾先生の論文をあげたのですが、実際はほとんどお一人でこの第4を担っていらっしゃるんです。それはすでに特別展カタログ論文「ジャポニスムの諸問題」で明快に示された結論でした。
この論文は、拙論執筆の少し前に出版された『日本美術を見る眼――東と西の出会い――』(岩波書店 1991年)に再録されて、広く知られ一般に読まれるようになりました。『名画を見る眼』の日本版ともいうべき名著です。
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