2025年4月22日火曜日

クリス&クルス『芸術家伝説』9

 

 この名著を復刊したのはアートワークスという出版社です。アートワークス? 知らなくたって当たり前だのクラッカーです。長いあいだ西欧美術史を研究し、学習院大学で若い学生たちを指導し、辞したあと名誉教授となった高橋裕子さんが立ち上げた出版社です。コンセプトは良質な翻訳と手ごろな価格――山椒は小粒でもピリリと辛い美術出版社です。

高橋さんの伴侶は高橋達史さん――達史さんもすぐれた西欧美術史の研究者で、青山学院大学名誉教授というオシドリ夫婦です。代表者は裕子さんですが、二人三脚で運営にあたっていらっしゃるのでしょう。僕が『芸術家伝説』の復刊を知ったのも、フェイスブックフレンドである達史さんを通してでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿

東京美術『日本視覚文化用語辞典』3

  前回、東京国立博物館の特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」を紹介しましたが、実をいうと後期高齢者の僕には「コンテンツ」の意味がよく飲み込めませんでした。しかしこの辞典にはチャンと「コンテンツ」という項目があって、簡にして要を得た説明がなされています。しかも「マーシ...