もっとも千光寺像はタイトルが「迦楼羅(烏天狗)立像」となっていますから、迦楼羅天だとすれば仏像ということになります。しかし神通寺本とほとんど同じフォルムですから、やはり烏天狗なのではないでしょうか? たとえそうでなかったとしても、神仏あわいの像であることは否定できないでしょう。
それはともかく、重要なのは円空仏と円空神が三井記念美術館の同じ空間にいらっしゃることなんです。つまり円空仏とは垂迹的なんです。仏様と神様が習合している、つまり融合し分かちがたく結びついているんです。
2017年、東京国立博物館で開催された特別展「興福寺中金堂再建記念特別展 運慶」については、そのとき「饒舌館長ブログ」にアップしましたが、運慶の彫った神像などなかったように記憶します。「僕の一点」に取り上げた湛慶の「神鹿」のような作品はありましたが……。同じ仏師といっても、その点で運慶と円空はとても違っていました。
0 件のコメント:
コメントを投稿