僕が生業なりわいとしている美術などという「文化」にも、こういう影の一面があるのでしょう。いま人気を集めるNHK大河ドラマ「べらぼう」の吉原文化にも……。
後花園天皇が詠まれたワラビも、やはり伯夷・叔斉兄弟の故事にまつわるワラビです。これは和漢文化の光――妙なる交響を語っています。時空を越えて二人の人間が、ワラビという珍しくもない草にまったく同じイメージを抱いている――これこそ文化です。何と素晴らしいことでしょうか。
後花園天皇「無題」
争い採っても採れるのは ただワラビだけ飢餓の民
どこもかまどの火は消えて 竹の戸さえも鎖とざされる
詩情の興る春二月 吟じたくなる季節だが
都の桃や青柳あおやぎが 美を誇るのは誰がため?
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