この芸術社会学とよく似た研究法に社会学的美学があります。竹内敏雄編『美学事典』(弘文堂新社 1961年)「美学と芸術学」の項には、つぎのように書かれています。
美は個人の意識において個性化の原理のもとに創造され、受容されるものでありながら、しかも時代の超個人的形式感や国民的趣味によって背後から支持され、制約され、また芸術品に客観化されて社会的機能をあらわすものであるから、それを人間共同体における集合現象として観察することもできるし、またそうすべきである。ヴントが示したような、原始芸術の民族心理学的研究もこの研究方向に属するが、その主なるものは社会学的観点から美的現象、特に芸術を考察しようとする社会学的美学である。
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