2025年1月31日金曜日

東京国立博物館「大覚寺」10

 「僕の一点」は、やはり初めにあげた狩野山楽の彩管になる「牡丹図」「紅白梅図」の襖絵ですね。この豪壮華麗なるエネルギーに満ちた画面構成、それにもかかわらずいささかも失われていない豊かな叙情的感情、二つの対立する美意識が完全に溶け合って一つの個性美へ昇華していく不思議に幻惑されるのです。

山楽の師永徳とその子光信が世代を超え、最強タッグを組んで創り出したような、金碧桃山障壁画の最高傑作を東京で堪能できる千載一遇の機会がやってきました。

50年にすぎないのに、いや、それゆえにこそ時代の活気が沸騰し、爆発を起した安土桃山時代という日本歴史上稀有な時代の魅力を、この狩野山楽による二つの障壁画が直感的に理解させてくれるのです。しかも興味深いのは、この画家を生み出した安土桃山時代が、逆にこの画家を翻弄し苦しめたというパラドックスです。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

北斎をネタにした斬新な見方の浮世絵版画展が今すみだ北斎美術館で開催中❣❣❣4

   この 10 図 には重郭栞 形 じゅうかくしおりがた の題箋 だいせん があって、そのなかに「詩哥写真鏡」という揃い物の タイトル と、それぞれの画題が彫られています。その題箋の位置に注意してみ ると、右上にあるもの5枚と左上にあるもの5枚に分かれます。   先の5 セット...