2024年11月26日火曜日

出光美術館「トプカプ・出光競演展」5

 

ナクシーは優秀な画家であっただけでなく、占星術師であり、スレイマニエ・モスクで暦術時辰の大切な役をつとめ、また詩人としても傑出していました。同時に挿絵画家として、みごとな作品をたくさん遺しています。当然のことながら、ナクシーはオスマン2世の厚いパトロネージを受けていたのです。以上はトプカプ宮殿博物館のギュッレル・カラヒュセインさんがカタログに寄せた解説のウケウリです()

 僕はこのオスマン2世騎馬像を見ながら、我が「足利義尚よしひさ像」(愛知・地蔵院蔵)を思い浮かべていました。狩野正信の彩管になる武人肖像画の傑作です。義尚は東山文化を花開かせた足利義政と、応仁の乱の端緒を作ったといわれる女傑・日野富子の間に生まれました。母富子の力によって室町幕府第9代将軍となりましたが、近江・六角(佐々木)高頼討伐の陣中に弱冠25歳で亡くなりました。

0 件のコメント:

コメントを投稿

鏑木清方記念美術館「築地明石町」1

鎌倉市立鏑木清方記念美術館「あの人に会える! 清方の代表作<築地明石町>三部作」    11月30日で終わっ てしまいましたが 、 やはり清方の「築地明石町」はいい絵だなぁと感を深くしました。 2019年冬 、竹橋の国立近代美術館で 44年ぶりにこの「幻の名画」が 公開され、話題...