2024年8月17日土曜日

すみだ北斎美術館「北斎グレートウェーブ・インパクト」8

その第1部第2章にある「固有名は、個体の個体性を一挙に指し示すのであって、それを集合のなかの一員として見出すのではない」という一節に逢着したとき、これこそ「北斎」じゃないかと直感し、ソク引用させてもらったんです。その柄谷さんが、一昨年、哲学のノーベル賞といわれるバーグルエン哲学・文化賞を受賞されました。こんなうれしいことはありません。

柄谷さんの『探求Ⅱ』と一緒に、もう1冊読んだ本があります。それは出口顕さんの『名前のアルケオロジー』(紀伊国屋書店 1995年)という出版されたばかりの本でした。出口さんの結論は、柄谷さんとむしろマギャクのようでしたが、これまた北斎によく当てはまるところがあるように感じられました。

 

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