2024年6月22日土曜日

太田記念美術館「国芳の団扇絵」7

 

開国したこの国を訪れた異邦人の“発見”のひとつは、日本の女たちそれも未婚の娘たちの独特な魅力だった。ムスメという日本語はたちまち、英語となりフランス語となった。オイレンブルク使節団の一員として1860年初めてこの国の土を踏み、62年領事として再来日、72年から75年まで駐日ドイツ公使をつとめたブラントのいうように、「ムスメは日本の風景になくてはならぬもの」であり、「日本の風景の点景となり、生命と光彩を添え」るものだった。

渡辺京二先生が伝える西欧人の日本礼賛には、いくらなんでも買いかぶりすぎじゃないのと思われる言辞、こちらがこそばゆくなるような文章が少なくありませんが、ブラントをはじめとする日本ムスメ、さらには日本女性に対するオマージュには、「異議なし!!」と叫びたいような気持ちになります。

0 件のコメント:

コメントを投稿

東京美術『日本視覚文化用語辞典』3

  前回、東京国立博物館の特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」を紹介しましたが、実をいうと後期高齢者の僕には「コンテンツ」の意味がよく飲み込めませんでした。しかしこの辞典にはチャンと「コンテンツ」という項目があって、簡にして要を得た説明がなされています。しかも「マーシ...