2024年6月1日土曜日

サントリー美術館「名品ときたま迷品」3

 

 その通りなんです!! こんな風に視点を変えて、強く心を惹かれる美を「迷品」に発見し、それを「民藝」として体系化したのが、先の柳宗悦だったともいえるでしょう。そうなると、「民藝 MINGEI」展と「名品ときたま迷品」展がコラボ展みたいになっているのには、美術史的意味があることになります。チョッとこじつけ気味かな?()

 「僕の一点」は伝狩野山楽筆の「南蛮屏風」ですね。これは正真正銘の名品、重要文化財にも指定されています。落款がないせいか、所蔵するサントリー美術館では「伝」をつけています。

しかし、かの土居次義先生が「山楽の風俗屏風画の遺作の一つとして扱わるべきものと見られる」(『日本美術絵画全集』12)とお書きになっているんですから、もう狩野山楽筆で間違いありません(!?) 近世絵画ですから、筆者が決まれば、同じ名品でもさらにグレードアップすることになります。

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