本書を読んで「思想史はこんなに面白い!」と感じたら、渡辺浩さんのデビュー研究書『近世日本社会と宋学』(東京大学出版会 1960年)に挑戦してみたらいかがでしょうか。これがあって初めて、『日本思想史と現在』のような本が書けるんだと腑に落ちることでしょう。
僕にとっては、それまでの単純な朱子学の日本展開論を根底から突き崩してくれた一書でした。それとともに、渡辺さんの朱子学展開論と我が文人画の私的理解との間に、パラレルな関係が成立するように思われて、とてもうれしくなったことを思い出します。
前回、東京国立博物館の特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」を紹介しましたが、実をいうと後期高齢者の僕には「コンテンツ」の意味がよく飲み込めませんでした。しかしこの辞典にはチャンと「コンテンツ」という項目があって、簡にして要を得た説明がなされています。しかも「マーシ...
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