人間と自然がこれほどまでに芸術的なセンスで調和している国を、私は今まで見たことがない。
(西洋では)人間は自然を破壊して都市をつくり、景観を損ねるが、日本では人が手を加えた後も、自然はいっそう美しく耀くのだ。これは驚異的なことだ。
あふれるほど多様な品種があった時代は過ぎ去った。島国日本が、長期間にわたって平和と繁栄を享受し、芸術と伝統美を追求した江戸時代は、もはや過去のものとなったのだ。
もっとも本書には、日本人としてあまり知りたくない歴史的事実も、抜かりなく書かれているのですが……。
友松は晩年、桂宮家を創始した智仁 ともひと 親王のもとにしばしば出入りし、押絵の注文などを受けていたことが、記録から明らかになっているからです。畏友・河合正朝さんの『友松・等顔』<日本美術絵画全集 11 >(集英社 1978 年)によると、桂宮淑子 すみこ 関係の記録にある「...
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