2024年1月10日水曜日

2024謹賀新年10

 

 『江戸詩人選集』5は市河寛斎と大窪詩仏の巻です。ついでにと言うと詩仏に失礼ですが、彼の賛酒詩も一酒、いや一首紹介せずにはいられません。季節は秋ですが、初春にふさわしいような明朗なる響きに満ちていますし、何よりも、我が故郷秋田ゆかりの絶唱だからです。

天保2(1831)5月、詩仏は江戸を発って秋田におもむき、晩秋まで滞在したそうです。6年ほど前から、秋田藩に出仕していたからです。この詩はその間に秋田で詠まれました。秋の長雨に降り込められたとき、憂さ晴らしのため開かれた酒宴で詠んだのであろうと、揖斐高さんは推定しています。さすが我が故郷は酔郷、詩仏先生の無聊を見て見ぬふりなんかしません。いや、招待した方が飲みたかったのかな()

0 件のコメント:

コメントを投稿

鎌倉国宝館「扇影衣香」4

          目出度い雪が彼方まで 驚くほどに降り積もり     目出度い雲が天上の 果てまで暗く してる けど     地上はまるで満月の 夜かと疑う明るさで     山には白雲 棚引いて きらめく朝日を 浴び てる よう     舞うがごとくに降る雪は ひらひら 散って...