僕は香港に着いて間もなく、香港博物館を訪ねました。そこには1931年に出版された雑誌『花影』に載る妓女の紹介記事が展示してありました。たとえばその一人には、次のようなことが書いてありました。
満英嬢 塘西第一の<校書>である。歳は二十にして姿と髪が美しい。話し方は典雅で、眉を顰ひそめても笑っても魅力的だ。才媛の風香りたち妓女の卑しさがない。酔えばいつも明朗にして闊達、応接に暇なき売れっ子である。<校書>とは、まさに花柳界の佼々こうこうたる美人をいうのだ。
「佼々」とは「みめよいさま」をいうのですが、「校」に合わせて同じツクリの「佼」をもってきたところがミソなのでしょう。
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