これは1883年の講演ですが、都市にギャラリーや美術館が出現してそれほど年月が経っていない時代です。それに対する理想主義的観念や明るい高揚感に満ちていて、すべてに懐疑的・悲観的になっている現代の私たちをうらやましがらせてくれます。ブルクハルトが饒舌館長の「質量主義」とか「気軽に楽しめる美術館」なんていうキャッチコピーを知ったら、きっと怒り出すことでしょう。
ブルクハルトは講演に先立ち、つねに広範囲にわたって周到な準備をしました。しかしいざ講演となると、このような苦労の片鱗も見せませんでした。話しぶりは自由で、……そして一切は真に偉大で、人間らしく親しみ深い個性で満たされていたそうです。
ヤジ「俺のは講演じゃなく口演だなんて居直っているのは、どこの誰だ!!」
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