2023年9月1日金曜日

トークショー「都市と美術館」2

 

準備をしているときに思い出したのは、近代美術史学の泰斗とたたえられるヤーコプ・ブルクハルトの『ブルクハルトの文化史講演集』<新井靖一訳>(筑摩書房 2000年)の「美術コレクションについて」の一節です。ブルクハルトは次のように述べています。

私たちはギャラリーを画家たちのために訪れるのではまったくなく、むしろ私たちのために訪れる。私たちは、さまざまの偉大な時代の芸術を私たちに示してくれる、理想主義と真理の高貴な結びつきのうちに、私たち自身の感覚と観照を豊かにしてくれるものを見出すことで、それをもって幸福と思うべきである。


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皇居三の丸尚蔵館「近世の御所を飾った品々」5

もちろん、中世に入れば山上憶良の歌は忘れ去られ、画家や鑑賞者に意識されることなく、記憶の残滓が脳内のどこかに沈殿しているに過ぎなくなっていたことでしょう。 しかし、憶良の歌のDNAだけは伝えられていたように思われてなりません。例えば 俵屋宗達の傑作「松島図屏風」(フリーア美術館蔵...