2023年4月30日日曜日

静嘉堂@丸の内「明治美術狂想曲」8

「闔家全慶こうかぜんけい」は「慶」と「鶏」の字音が同じであるところから生まれた画題である――しかし落ち着いて考えるとチョットおかしいじゃ~ありませんか。これは中国で考え出された画題にちがいありませんが、現在の中国語である普通話によれば、「慶」は「チン」、「鶏」は「ジー」で、まったく異なる発音だからです。

しかし、おかしくないんです。「慶」と「鶏」を「ケイ」と読むのは漢音、つまり唐時代の長安で使われていた標準的な発音を写した発音だからです。漢音によれば、確かに同じ字音になります。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

東京美術『日本視覚文化用語辞典』3

  前回、東京国立博物館の特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」を紹介しましたが、実をいうと後期高齢者の僕には「コンテンツ」の意味がよく飲み込めませんでした。しかしこの辞典にはチャンと「コンテンツ」という項目があって、簡にして要を得た説明がなされています。しかも「マーシ...