2022年4月6日水曜日

佐藤康宏『若冲の世紀』1

 

佐藤康宏『若冲の世紀 十八世紀日本絵画史研究』(東京大学出版会 2022年)

 畏友・佐藤康宏さんが、40年間に及ぶ江戸時代絵画研究を1冊の大著に集大成されました。しかし、誰かさんの『琳派 響きあう美』のように、これまで書いたものをただ集めただけのコレクション本じゃ~ありませんよ。「饒舌館長おススメ本」にぜひアップしたいと思うゆえんです。佐藤さんは「あとがき」に次のごとく書いています。

全十八章は、いずれも初出の原稿を改訂増補し、現時点での定本というべきものに改めている。いまから見れば生硬と思える二十代の叙述を残す一方、最近の考えを加えもした。成稿の時期の異なる複数の文章をひとつにまとめ、新たに加筆することもした。初出の時点以後に発表された関連する研究は註に加え、ときには本文中でも取り上げたが、遺漏は少なくなかろう。

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