2021年8月5日木曜日

徐寅・夏の詩13

 


*盞はさかずきですが、やはり「茶盞」[ちゃさん]といえば茶碗の意味でしょう。「茶碗酒」という言葉あるように、猪口でやるのとは違った独特の味わいがありますよね。大学院生のころ僕は、『國華』の編集アルバイトをやっていましたが、田中一松先生以下、千歳烏山の編集室につどい、茶碗酒で乾杯を行なった新年会を懐かしく思い出すのです。

それはかつてアップした、版下絵と編集事務担当の菊川京三さんが準備してくれたものでした。もちろん茶碗は秘色青磁じゃ~ありませんでしたが()、もっともよく記憶に残る新春飲み会です。

徐寅の詩の結聯(尾聯)は、その茶碗酒が病のため叶わぬことを嘆いているわけです。この詩は秘色青磁の貴重な資料だと思います。専門家のあいだではよく知られているにちがいありませんが、同時代資料として、とても興味深く感じられます。

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