2021年5月11日火曜日

東京藝大美術館「渡辺省亭」展2


その幽霊画を1冊の本にまとめて出版しようというのですから、こんな心躍るプロジェクトはほかにないでしょう。辻さんに是非やらせてくださいと、こちらからお願いしたことは言うまでもありません。

僕がその展示を見に行ったもっとも大きな目的は、研究対象の一人であり、尊敬して止まない画家・円山応挙の「幽霊図」が、必ず出るからでした。そのことを辻さんにしゃべったことがあったかどうか、記憶が定かではないのですが、応挙の幽霊図について書いてほしいというのが、辻さんからの依頼でした。しかし応挙の幽霊図についてまとめるとなると、弘前市の久渡寺が所蔵する、有名な応挙の優品「反魂香之図」を見ないわけにはいきません。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

東京美術『日本視覚文化用語辞典』3

  前回、東京国立博物館の特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」を紹介しましたが、実をいうと後期高齢者の僕には「コンテンツ」の意味がよく飲み込めませんでした。しかしこの辞典にはチャンと「コンテンツ」という項目があって、簡にして要を得た説明がなされています。しかも「マーシ...