2021年5月10日月曜日

東京藝大美術館「渡辺省亭」展1

東京藝術大学大学美術館「欧米を魅了した花鳥画 渡辺省亭」<523日まで>

 渡辺省亭――僕にとっては「幽霊画家」です(!?) いま東京藝術大学大学美術館で開催されている渡辺省亭展のサブタイトルは「欧米を魅了した花鳥画」ですが、僕にとって省亭といえば幽霊画なんです!! というのは、1994年のはじめ、辻惟雄さんから谷中・全生庵で所蔵している幽霊画の図録を作るから、チョット手伝って欲しいというオファーがかかりました。

 1900811日に没した三遊亭円朝の忌日に合わせて、菩提寺である谷中・全生庵では、円朝忌の法要と円朝祭りが行なわれます。そのとき、円朝が蒐集して全生庵に寄贈したという幽霊画の展覧会が行なわれるのです。かつて東京国立文化財研究所につとめていた僕は、円朝忌になると、谷中のお蕎麦屋さんで昼飯を取りがてら、毎年のようにそれを見に行きました。 

0 件のコメント:

コメントを投稿

根津美術館「唐絵」7

  そのころ日本の禅僧がたくさん元に渡りましたし、長くかの地に留まり、中国文化を持ち帰った場合も大変多いのです。 流行する題画詩も彼らによって日本へもたらされた可能性が高いという指摘は、正鵠を射るものです。(略) このような島田修二郎先生の名論文を読むと、詩画軸こそ詩画一致で...