2021年4月18日日曜日

国立能楽堂「能楽と日本美術」2

カタログ論文は、「能謡曲と日本の絵」と題して描き始めましたが、出来上がってみると、水尾比呂志さんいうところの随論――それもただ長いだけの随論になっていました() 4月13日に行なった口演もそれをなぞるような内容になってしまいましたが、聴講者アンケートの評価はけっして悪くなかったと思います。口演の最後に、「アンケートには非常によかった、とても興味深かったと、必ず書いておいてくださいね」と念を押したので()

 「僕の一点」は、伝折居弥助作「桜車蒔絵小鼓胴」ですね。黒漆地に桜と源氏車を平蒔絵で施した江戸時代中期の優品です。どこの所蔵かって? もちろん静嘉堂文庫美術館ですよ() 口演は絵画中心の話にまとめたので、いつもの「マイベストテン」は絵画ばかりを選びました。 

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根津美術館「唐絵」6

また島田先生は、「題辞、題詩が単に画図をみた印象、感想を述べるだけでなく、画図の主題と密接な関連があって、 画図の十分な理解のためにはその詩文の解釈が欠かせないとか、題跋の加わることが予期されるというような条件をおくことが必要であろう」と指摘しています。 さらに島田先生は、詩画軸...