2021年3月5日金曜日

山根登・生の証1

 山根登さんは僕の恩師である山根有三先生のお兄さんです。大正4年(1915)のお生まれですから、大正8年お生まれの山根先生にとって、4歳年上のお兄さんということになります。登さんは10代の終わりころから南画を習い始め、やがて油絵を描くようになりました。

昭和14年(1939)召集令状を受け、丹波篠山の連隊に入営、間もなく中国の戦地へおもむきました。戦線を巡りながら、各地の風景や人物などをたくさんスケッチし、また葉書に描いてお父さんの華道家・山根翠堂先生や山根先生に送りました。

 昭和18年、無事に生還し、かねてから交際していた女性と結婚、所帯を持ちました。しかし翌年、ふたたび召集されフィリピンの激戦地へおもむき、その翌年、マレーシアのサンダカンにて戦死されました。享年30、遺骨も戻らなかったそうです。 

0 件のコメント:

コメントを投稿

皇居三の丸尚蔵館「近世の御所を飾った品々」1

  皇居三の丸尚蔵館「開館記念展 皇室のみやび――受け継ぐ美―― 第 3 期 近世の御所を飾った品々」< 5 月 12 日まで> 平成元年( 1989 )、昭和天皇まで代々皇室に受け継がれた品々が、上皇陛下と香淳皇后により国に寄贈されたことを機に、それらを保存・研究・公開する...