2021年3月15日月曜日

まちの記憶・蒲田6

 



 ピンクサロンといえば、これまた懐かしい思い出があります。東京国立文化財研究所の研究員時代、大井だったか川崎だったか、小林忠さんと遅くまで飲んでいて終電を逃し、蒲田の家に泊まってもらったことがあります。

二人でピンク街を通り抜けようとすると、呼び込みのお兄さんが「若社長!! …………」といって、二の腕をつかまえて放してくれません。今は禁止されていますが、そのころは当たり前田のクラッカーでした。振り切るようにしてピンク街を脱出、呑川近くまで来ると、小林忠さんがひとこと言ったものでした。

「こういうところでアンタ、よく真っ当に育ってきたなぁ!!

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