白魚[しらうお]の指重ねては 束ねるカラスの濡れ羽色
かんざし緑の黒髪に 滑って差すことできやせぬ
春風爛漫 物憂げで なよやかな美人 悩ませり
芳紀十八 鬟[まげ]の型 多くて選ぶの 迷ってる
髪美しく化粧済み 崩さんとするも崩し得ず
雲の裳裾でゆるやかに…… 砂上を歩む雁のよう
背を向けた上もの言わず 恋人置いてどこへ行く
階段下りて自分から 手折った花は桜桃[ゆすらうめ]
鎌倉幕府二代将軍、源頼家の時代。頼家の家臣・三浦之介義村と、北条時政の娘・時姫の悲恋と忠孝の葛藤を描く。二人は許婚であったが、将軍家と北条家の内乱によって家が敵同士となる。戦場に出ていた三浦之介は、病気の母・長門を心配し、時姫が長門を看病している家へ深手を負った状態で戻る。し...
0 件のコメント:
コメントを投稿