県次公 舟を泛べて徂来先生を宴す。同に賦して『秋』の字を得たり
周遊せんとて蘭[あららぎ]の 舟を泛[うか]べた隅田川
日没のころ清き風 吹いて岸辺に舫い舟[もやいぶね]
海の汐[うしお]が三叉[みつまた]を 裂かんばかりに押し寄せて
武蔵・下総またがって 虹は両国橋の上
差しつ差されつするうちに 満月昇り三味[しゃみ]に歌
空に届いて行雲を 止[とど]めりゃ秋の涼しさが……
錚々たる人打ち揃い 神仙舟に乗り合わせ
世外[せがい]に遊んでいようとは お釈迦様でも知るまいに
私は昭和六十一年春、ニューヨークの杉本博司家において、狩野元 俊 筆「松に錦鶏図屏風」六曲一隻を見る機会があった。紙本着色画で、雪の降り積む湾曲する松を一株、中心的モチーフとして画面右に配し、途中から枝を左に伸して雌雄の錦鶏を止らせてい る。背景には金泥による雲が描かれているが、...
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