2020年8月22日土曜日

酒井抱一「日課観音図」3


その時の調査カードには、「小品なれども実によい品格の絵なり」などと書いてあります。いつか『國華』に紹介しようと思いつつ、そのままになってきましたが、去年秋、28年ぶりに再会する機会に恵まれたのです。これも正確にいえば、20191021日です()
先の拙論を書いたとき、甲申という干支は甲子などと同じく、何か特別な意味があったのだろうとは考えましたが、それをみごとに解き明かしたのは、福岡市美術館の岩永悦子さんでした。岩永さんは2015年初春、福岡市美術館松永記念室において、「伝・源実朝筆日課観音図をめぐって」という特別展示を企画開催し、「古美術 解説」223号にそれを発表したのです。

0 件のコメント:

コメントを投稿

東京美術『日本視覚文化用語辞典』3

  前回、東京国立博物館の特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」を紹介しましたが、実をいうと後期高齢者の僕には「コンテンツ」の意味がよく飲み込めませんでした。しかしこの辞典にはチャンと「コンテンツ」という項目があって、簡にして要を得た説明がなされています。しかも「マーシ...