2020年8月14日金曜日

服部南郭・夏の詩6


 

 コロナ禍のため、このところまったく飲み会がありません。もう半年もないように思います。もちろん家ではチョビチョビ飲んでいますが、やはり何か寂しく感じられます。せめて南郭の「夜讌[やえん]」という飲み会の詩で、元気を出すことにしましょう。この和歌調戯訳をつけた五言律詩は秋の詩らしく感じられますが、飲み会の詩なんていうと南郭に失礼ですから、演歌・艶歌・怨歌にならって、宴歌と呼んだらどうでしょうか()
 高殿で夜の宴[うたげ]を開きたり 天へ広がる歌と笛の音
  夜空から音楽響いて来るようで 舞う美女月の仙女かと見ゆ
  灯[]は寒光発して豪奢な部屋に映ゆ 美酒盛る玉杯透けて輝く
  立ち上がり見れば夜露はもう白く 暁[あかつき]早く来るを恐れる   

0 件のコメント:

コメントを投稿

出光美術館「復刻 開館記念展」2

本年は、皆様をこの展示室へお迎えする最後の 1 年となります。その幕開けを告げる本展は、 58 年前の開館記念展の出品作品と展示構成を意識しながら企画したものです。……開館記念展の会場を飾ったのは、仙厓( 1750 - 1837 )の書画、古唐津、中国の陶磁や青銅器、オリエントの...