2020年6月16日火曜日

梅雨1



 いよいよ梅雨入りしたようですね。うっとうしいけれど、これはこれで巡る季節のワンシーンでしょう。しかも、コロナウィルスは湿気に弱いという説があるようですから、今年は梅雨が長く続いてほしいと願わずにはいられません(!?) たびたび引用する渡部英喜さんの『漢詩歳時記』<新潮選書>には、杜甫の五言律詩「梅雨」が紹介されています。今回は五七五七七の和歌調戯訳で……。
僕の住む成都・犀浦の道の辺に 四月になれば梅の実熟す
鬱陶[うっとう]しいそぼ降る雨に満々と 長江の水流れゆきたり
  粗末なる萱葺きの屋根しみやすく 雲・霧垂れ込め晴れ間も見えぬ
  水中の蛟龍[みずち]喜び水面は 岸辺に沿って渦巻いている 

0 件のコメント:

コメントを投稿

根津美術館「唐絵」8

   その山水はいわゆる辺角の景という構図になっています。画面の左上から右下に対角線を一本引いて、その左下に近景を描き、右上の余白に遠景を添えて遠近感を視覚化させています。 このような辺角の景は、中国・南宋時代の画院画家である馬遠や夏珪が好んで用いた構図法でした。ですから馬の...