南の四川[しせん]の渡し場に たそがれ時がやってくりゃ
家路を急ぐ人たちが 先を争い騒がしい
野中の寺から清らかに 間近に聞こえる鐘の声
岸辺の村ははるけくて 灯る漁火[いさりび]点々と……
空行く雁を見ていると 故郷の便り恋しくて
猿の鳴き声聞いてると 涙の痕[あと]にまた涙
遠く万里の我が旅路 小舟浮かべるこんな夜
秋の明月仰いでも たたえる言葉が浮かばない
しかし渡辺浩さんは、先行研究が指摘した二つの点について、高橋博巳さんの見解が示されていないことが、やや残念だとしています。その先行研究というのは、大森映子さんの『お家相続 大名家の苦闘』(角川選書)と島尾新さんの『水墨画入門』(岩波新書)です。 僕も読んだ『お家相続 大名家の苦闘...
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