2019年10月4日金曜日

東京ステーションギャラリー「岸田劉生展」3


 もちろん僕は、すでに紹介したNHK文化センター青山教室で今年開講している「絶対オススメ12選<魅惑の日本美術展>」の第5回にこれを選び、すでにしゃべり終わったところです。さて劉生といえば、何よりも重視した「内なる美」ということになりますが、多くの研究者がこの解釈に四苦八苦していて、定説と呼ぶべきものはないようです。しかし僕は、「人間の美を求めて止まないDNA」といえば分かりやすいと思います。

劉生は初期のころから「内なる美」の存在に気がつき、それこそが美術のもっとも重要なエッセンスであると感じていました。しかしそれが確信に変ったのは、最初の分身である長女・麗子を、モチーフにするようになってからであるというのが私見です。

0 件のコメント:

コメントを投稿

出光美術館「復刻 開館記念展」2

本年は、皆様をこの展示室へお迎えする最後の 1 年となります。その幕開けを告げる本展は、 58 年前の開館記念展の出品作品と展示構成を意識しながら企画したものです。……開館記念展の会場を飾ったのは、仙厓( 1750 - 1837 )の書画、古唐津、中国の陶磁や青銅器、オリエントの...