2019年9月19日木曜日

静嘉堂文庫美術館「入門 墨の美術」+饒舌口演4



マイベストテンのなかに、「聴松軒図」と「万里橋図」、そして賢江祥啓筆「巣雪軒図」という詩画軸の名品3点をあげました。それぞれに加えられた詩賛のうちから、主要な一首に戯訳をほどこして配布資料を作りましたので、それを改めて紹介しておくことにしましょう。

「聴松軒図」相国寺・竺雲等連七言詩+戯訳
  登々履嶮路縈山  険しい道を登り行きゃ 山をめぐってまだ続く
  架屋青渓翠壁間  青き渓流 苔の岩 茅屋建てて住む君が……
  靖退由来真小節  しかし隠遁なるものは 下らぬ生き方 過し方
  松声雖好莫耽閑  松風の音すぐるとも 閑居に耽っちゃなりませぬ


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根津美術館「唐絵」6

また島田先生は、「題辞、題詩が単に画図をみた印象、感想を述べるだけでなく、画図の主題と密接な関連があって、 画図の十分な理解のためにはその詩文の解釈が欠かせないとか、題跋の加わることが予期されるというような条件をおくことが必要であろう」と指摘しています。 さらに島田先生は、詩画軸...