2019年9月18日水曜日

静嘉堂文庫美術館「入門 墨の美術」+饒舌口演3



最初中国では松煙墨でしたが、五代のころ油煙墨が開発され、それへ移行していったようです。ちょっと異説もあるようですが……。しかしわが国では、ずっと松煙墨が使われ、油煙墨になったのは、室町時代初めに、興福寺の二諦坊[にたいぼう]がこれを作り出してからのことでした。つまり、松煙墨という、中国の古い文化がずっとあとまで日本に残っていたことになります。

柳田国男の名著『蝸牛考』の結論を敷衍して、中央の文化は遅くまで周辺に残存するというテーゼを導き出すことが許されるなら、まさしく墨も例外じゃ~なかったということになりそうです。

このあと、書画一致思想に関する独断と偏見をしゃべってから、マイベストテンへと移りました。


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根津美術館「唐絵」6

また島田先生は、「題辞、題詩が単に画図をみた印象、感想を述べるだけでなく、画図の主題と密接な関連があって、 画図の十分な理解のためにはその詩文の解釈が欠かせないとか、題跋の加わることが予期されるというような条件をおくことが必要であろう」と指摘しています。 さらに島田先生は、詩画軸...