日本ばかりじゃーありません。2012年、ワシントンDCのナショナル・ギャラリーで開催された若冲展――「色彩王国」と題された若冲展の国際シンポジウム第2部「江戸時代のアーティスト」には、僕も参加させてもらいましたが、展覧会の方はものすごい人気でした。ご興味のある方は、秋田県立近代美術館HP→おしゃべり名誉館長→過去のおしゃべり→2012年4月をご笑覧くださいませ。
去年、「ジャポニスム2018」の一環として、パリのプチ・パレ美術館で開催された「若冲――動植綵絵を中心に」展も大成功だったそうです。アドバイザーをつとめて現地におもむいた辻さんや、小林忠さんから直接お聞きしました。今や海外における若冲人気は、葛飾北斎をもしのぐものがあるように感じられます。
しかし『奇想の系譜』が書かれたころ、状況はまったく違っていました。彼らは江戸時代のマイナー・ペインターでした。単なる異端の画家でした。近世絵画史のトリックスターにすぎなかったのです。
0 件のコメント:
コメントを投稿