2019年2月4日月曜日

静嘉堂文庫美術館「お雛さま展」5


もしその時、何か祈りや願い、あるいは清浄なる気持ちが皆さまのなかに芽生えるならば、やはりお人形さんが根源的にもっている霊力のゆえにほかならないでしょう。もうこんなに美しくソフィストケートされたお人形さんに、呪詛や厄除けを期待する人はいないでしょうが、意識されることもないかすかな記憶の底に、精神作用として沈殿しているように思います。

 27日は午後からトークショーがおこなわれました。登壇したのは日本人形研究所所長の林直輝さんと、ご存知!「青い日記帳」を主宰するカリスマ・ブロガー中村剛士さん、加えて担当学芸員の長谷川祥子さんの3人です。とくに林さんからは、5世大木平蔵によるこれらの作品が、いかに精緻に、いかに高い技術をもって、いかに贅を尽くして作られているか、専門家の立場からの解説があり、なるほどなぁとよく腑に落ちたことでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿

出光美術館「トプカプ・出光競演展」2

  一方、出光美術館も中国・明時代を中心に、皇帝・宮廷用に焼かれた官窯作品や江戸時代に海外へ輸出された陶磁器を有しており、中にはトプカプ宮殿博物館の作品の類品も知られています。  日本とトルコ共和国が外交関係を樹立して 100 周年を迎えた本年、両国の友好を記念し、トプカプ宮...