2019年2月1日金曜日

静嘉堂文庫美術館「お雛さま展」2


やがて古代後期から中世に入ると、これが子供のために飾ったり、また子供自身が遊んだりする造形物に変化していきます。現在、人形というと、もっぱら玩具的性格を強めた後者を指すために、前者と分けて考えることも行われているようですが、両者は分かちがたく結ばれているはずです。

現在のお雛さまと、神送りのための流し雛の密接な関係を考えてみれば、それは明らかだというべきでしょう。それは仏像の誕生を考えてみると、重要なヒントがもらえるような気がします。土着の信仰から仏教という宗教へと発展したとき、仏像というきわめて美しい造形へと昇華したからです。あるいは垂迹美術を考えてもいいような気がします。いつか機会があったら、「饒舌館長」に雛人形私論をアップすることにしましょう。

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