これは王安石が遼の使者を見送るため、国境まで行ったとき、出発にあたってその文淑に与えた詩とされますが、なお疑いも残るそうです。いずれにせよ、後期高齢者の僕にとって、もっとも心に沁みる詩でした。
若いときでも別れとは 気軽なものじゃないけれど
老いてはたまに出会っても いつまた会えると胸痛む
料理は厨[くりや]の有り合わせ それを肴に語り合う
照らす灯火[ともしび]ほの暗く 思い出話に花が咲く
何たることぞ! 鄞[ぎん]県で 別れて暮らした三年間
なのに今度は何万里 砂漠遥かな旅路とは!
「次にふたたび会えるのは いつの日かしら」と訊かれれば
「雁が南へ飛ぶころにゃ きっと手紙も出せるよ」と……
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