これを見て、僕はすぐ伊藤若冲の「動植綵絵」を思い出しました。『諸橋大漢和辞典』に「綵」を求めると、①あやぎぬ。模様のあるきぬ。②あや。いろどり。もやう。とありますが、「綵画」や「綵絵」には当然②の「いろどり」がふさわしいことになります。
「綵画」や「綵絵」という熟語は見当たりませんが、「熟語は采・彩を併せ見よ」とあるので、「彩」を見ると、「彩画 彩色画」「彩絵 いろどり。もやう。ゑ」と出てきます。このようにみてくると、「動植綵絵」は若冲がその美しいいろどりを何よりも誇ろうとしたシリーズということになります。
それはともかく、「綵画」という『諸橋大漢和辞典』にもなかった熟語が、『善隣国宝記』にあることを初めて知ってうれしくなり、足取りも軽く、サントリー美術館を後にしたことでした。
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