2018年11月10日土曜日

京都国立博物館「京の刀」6


しかし、完成された日本刀は、そのような高度な技術や複雑な工程を微塵も感じされることなく、あくまで端整であり、清純であり、そして簡潔なのです。だからこそ、日本刀は日本文化のシンボリックな存在として、燦然たる光輝を放ち続けてきました。そして日本文化再評価という世界的潮流の中で、これからますます光り輝くことになるでしょう。

ここで普通なら「僕の一点」といきたいところですが、たとえば目玉ともいうべき国宝「手掻包永[てがいかねなが]」を取り上げて、独自の見解を開陳するというのは、さすがの「おしゃべり館長」の手にも余る仕事です。

仕方がないので、中国・北宋の欧陽脩(10071072)の「日本刀の歌」を、岩波版『中国名詩選』から、例のごとく僕の戯訳で紹介することにしましょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿

東京美術『日本視覚文化用語辞典』3

  前回、東京国立博物館の特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」を紹介しましたが、実をいうと後期高齢者の僕には「コンテンツ」の意味がよく飲み込めませんでした。しかしこの辞典にはチャンと「コンテンツ」という項目があって、簡にして要を得た説明がなされています。しかも「マーシ...