2018年10月31日水曜日

静岡県立美術館「幕末狩野派展」2


かくいう僕も、これはいいなぁ!!と心から思ったのは、20年ほど前、鹿島美術財団の助成を受けて、ボストン美術館日本美術悉皆調査を行なったときでした。江戸狩野を担当することになった僕は、これを専門とする河合正朝さんや榊原悟さん、安村敏信さんたちと、キューレーターのアン・モースさんがお蔵から出してくる江戸狩野作品の調査を始めました。

フェノロサやビゲローが蒐集した江戸狩野の作品数はハンパじゃありません。僕たちは最低145点と決めて、取りかかったのです。

それはおおむね探幽三兄弟から始まり、徐々に時代をおりてきましたが、幕末狩野派、とくに木挽町狩野派では、魅入られる作品が少なくなかったのです。


0 件のコメント:

コメントを投稿

ブータン博士花見会4

  とくによく知られているのは「太白」里帰りの物語です。日本では絶滅していた幻のサクラ「太白」の穂木 ほぎ ――接木するための小枝を、イングラムは失敗を何度も重ねながら、ついにわが国へ送り届けてくれたのです。 しかし戦後、ふたたび「染井吉野植栽バブル」が起こりました。全国の自...